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【映画の感想】オッペンハイマー ~ 程よいクリストファー・ノーラン堪能 ~

金曜日(2024/3/29)から公開のオッペンハイマーを劇場で見てきました。

クリストファー・ノーランを満喫しつつ、原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーという人の一端を知れる・・・というよりもクリストファー・ノーランっぽく「感じる」ことができる仕上がりでした。お馴染のアトラクション体験ですな。

 

劇場鑑賞推奨。特に私のような入り込み難いタイプの人間は家でiPadでみるのと劇場でみるので大きな差がつくタイプの映画(だから劇場に行きました)。

 

去年の夏(8月6,9,15日が、近づいたころにこの映画の話題がちらほらっと私の目について。原爆投下後の彼の後半生についての記述をみるに、昨今のアカデミー賞的な激しくアジってくる感じの話になっているかと思ったけど。

それほどではありませんでした。

 

原子爆弾の威力については激しく映像で見せられつつも、オッペンハイマー本人の気持ちの変遷を、クリストファーノーラン監督の才能で映像化したものでした。

 

激しい言葉でアジるような反原爆活動をする博士が出てくるのかなと勝手な想像をしてたけれど。ただ、作ったものが使われた結果の大きさに慄いている。その苦しみを増幅したような映像が多かったです。

 

ピカドンの映像化は子供のころからたくさんの写真や映像化したものを見せられてるからね。大きく逸脱したような表現はなかった。想像の範囲内

核融合のイメージをたくさん見せられたのと。オッペンハイマー。女性に対する倫理観低いな~。ものすごく悩んだように書いてあるけど、あんまり女性のことを同じ人間として認識してなさそうな印象は受けました。現代的に受け入れられないほどの倫理観に見えないようにお化粧されてるんじゃないかと思った(あくまで映画みて私が思っただけです)。

 

科学者として、人としては十分バランスの取れた人だったんじゃないかという印象で結ばれている(繰り返し、オトコとしても当時は彼の功績を考えたらお許しが下るレベルなんだろう)。

 

ヒロシマナガサキの当事者目線で考えたら、ヒステリックに拒否したくなる意見が出るのも理解できるけど。2024年に生きる、近親者にも、知り合いにもナガサキヒロシマの被害者がいない日本人だとはいえ原爆被害からはアウトサイダーである私にとっては、落ち着いて、よい映画だなと評価ができるものでした。

 

3時間に及ぶ映画だし。テーマからしても難解だと思ったので、先にさらっとオッペンハイマーの人生をWikiYoutubeで予習していったのも正解でした。

 

クリストファー・ノーラン的なタイムシャッフルが激しくて。

特殊メイクで役者さんたちの顔に年輪がしっかり刻まれてはいるんだけど。あちこちに飛ぶと結構混乱して理解しづらい部分もあった。

 

冒頭の30分間が、下半身はお行儀がよろしくないオッペンハイマー博士の恋愛模様が中心でつまらないという事前レビューも頭に入れつつ鑑賞。

いやまさに?それいる?

って感じのイタシテイルシーンもチラホラ。とはいえ、彼の人生にとって、愛人とのソレコレってそんなに大きなことだったのかどうなのか?と映画をみただけの私としてはちょっと納得しかねる感じでした。

 

共産党員の奥さんの影響は絶対にあっただろうと思うけど。精神不安定な愛人をあれほどクローズアップする必要性はあったのかな~~~とは思った。

 

原子爆弾を作る過程での成功譚を観たいなとは思ったのだけど。

多くの科学者と連携し、社会を動かし、プロジェクトを成功に導くという意味での成功体験の中で、実際にこれを使うのか?という時点で疑問を感じつつも、組織のリーダーとして懸念は表明しつつも前に進み続け。その成功が彼の後半生の辛酸にも続くし。

辛酸をなめることになるとしても、譲れないものがあったのだと映像から感じさせる仕上がりになっています。

 

実際の話は何もしらない。ただ、クリストファー・ノーランの映画をみたのみの理解としては、ひたすら自らの作り出したものに恐れおののき悔いている人のように見えました。

 

 

これも。事実なのかお話なのかも確認してませんが。アインシュタインとのやり取りも軽妙且つ啓示に飛んでいてイカしてて、預言的で。

ラストが映える仕上がりでした。

 

本作の敵役ルイス・ストローズ役のロバート・ダウニーjrの演技が、最低の屑エリート感満載であまりにいやらしくてワラいつつ観ましたが。この経験、どこかであるな~って思ったら。

半沢直樹の大和田常務。香川照之の快演を思い出した。

香川照之も、後日、銀座でのご乱行でしこたま叩かれてたけど。ロバート・ダウニー・Jrもリアルヤク中屑野郎歴史はあるし。本人に近い物がある名配役なんじゃないかと思ってしまったりする。屑っぷりが爽快だった笑

正義とお金をトニー・スタークから取り上げて30年ほど歳をとらせたら見事な配役になった。楽しかったです。

 

ちょっとやそっと悪いことしてしまっても、才能や功績がそれを凌駕すると日の当たるところへ戻ってこれるっていう好事例がいっぱいですね。

でも、それはあくまで才能や功績が大きすぎる人の話で。

確率からすればものすごく小さい確率(作中で、地球上の酸素が燃え尽きてしまう確率をnear zeroと何度も表現して使ってたけど。一般の人たちからしたらまさに near zeroでしょ)。

オッペンハイマー博士に至っては後半生の研究もなにもかも取り上げられて引退状態だったみたいだし。使命を全うしたとて落とし穴だらけの道を歩いて巨大な功績を残しているわけで。穴から沢山の引きずり落してやろうっていう手が伸びてて、それにつかまっちゃったんだね~~って感じです。不満も鬱屈もありつつの後半生の発言は映画には詳しく出てこなくって、そこはノーランがいい感じに仕上げてくれてるのだと思います。

 

最後は引きずり落した奴ら(国家も含め)、もオッペンハイマーが安全保障上のリスクではないと公式に認められるだけの時間がたてば一枚の表彰状とともに握手ともとめてくる。

その時には、オッペンハイマー博士の旬はすぎちゃってるっていう。おじいちゃんちょっと悲しいけど。多くは言わずに表彰状は受け取って、紳士的・友好的に終了。

という、悲しいけど。そんなものかな。ってシニカルに笑うしかない気持ちになれるのはアインシュタインとの逸話に寄るところ。

 

FBIに尾行されたり盗聴されたりし続ける人生ってホントにあるんだ。

収支がついていない被害の大きい人生に感じるけれど。

ヒロシマナガサキの被害者なんてなんの収支もつかないもんね。死んだら終わり。

 

オッペンハイマー博士の人生だけをみれば、光も栄光もありつつ辛酸も舐め、陰も濃いけど、最後は握手のお話でした。

 

 

すごい!ロスアラモスってまだあるんだ。全部引き払って更地にしたのかと思ってました。

lanl.gov

 

ミッションの方向性を替えつつ、いまもたくさんの人が働いているってことですね。

 

www.oppenheimermovie.jp

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