イマサラ金銭管理

ダイエットの成功、リバウンド、離婚から悲喜こもごもイマサラ金銭管理にめざめたおかあさんのブログです。

【本の感想】世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち(映画 マネー・ショート 華麗なる大逆転 原作)

そもそも、なんでこの手の本を読んでいるかというと。

あまりに株式市場の過熱が過ぎていて、それに疑問を抱かず浮かされたら幸せという気持ちと、どこかで近い将来。これがへし折られる日が来るならそれが必ず起こるものだということを感覚として身に着けたいっていう気持ち。

少なくとも全く折れないという保証などどこにもないということを感覚として取り入れられたらなっていう気持ち。

いつ折れるのかわかれば大儲けできるんでしょうがそれは日本の片隅のおばちゃんには知ることはできませんと割り切って楽しみつつ教訓を得よう!という目論見。

 

マイケル・ルイスがエンタメすぎて面白すぎて最高です。

 

 

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち 

 

Kindle版には「映画化記念 著者特別エッセイ」が収録されています。以下、引用

複雑なことを読者に説明するだけでは不十分だ。まずそれについて知りたいと思わせなければ。ものごとが複雑であるほど、読者の側に心の底からそれを知りたいと思う強い気持ちが必要だ。”

わたしの仕事はクレジット・デフォルト・スワップ債務担保証券について、心の底から知りたいと思う気持ちを読者に持たせることだった。

マイケル・ルイス. 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫) (p.414). 文藝春秋. Kindle 版. 

まさに。そういうこと。

 

さて、肝心の本の内容は

世界金融恐慌の発端であるとされているリーマン・ブラザーズの経営破綻の原因になった、低所得者住宅用ローンの大規模な焦げ付きを正確に見極め、それを礎にして作られていた債権群が「破綻」する方に賭けた3組の人達を時系列でストーリー仕立にし、面白おかしく読ませつつも、難解な債権の仕組みの基本も理解させてくれるという。まさに知的娯楽なのです。

 

加熱相場の原因とその空虚さにたどり着きショートする方に賭けた人々、賭けに勝った後も大金を手にしたとて、手放しで喜ぶこともできない焦土にたどり着く人々のお話です。

映画に出ている人は、ショートする方に賭けつつも「こんなことしてたら世界中が焼け落ちる」とあちらこちらで声を発していた人ばかりなのですが。お決まりの話で。彼らの声に大手投資銀行の経営層や政府が耳を傾けることなどなかったという。

焼け落ちることが明白な時点でまだウォール街から遠い国の人々はそのおこぼれにありつこうとさらに負けが確定した勝負に駆り出され、さらにはアメリカをはじめ各国の政府がこれを救済に回ったせいで、結局全く賭けになど参加しなかった人々も国の債務という形で多大な負債を負うという悲しいお話です。

異常に加熱した相場の後では負けを押し付けあうターンがあるんだけど。大コケした人は救われるていうパターン。これを当たり前と受け入れるメンタルができている自分も怖い。2009年時点には怒ってたのかな?私。

 

映画の方は、公開後のまだリーマンショックの余韻が残る頃に1度みていたのを、再度見直してから原作本を読みました。

映画の内容はしっかりと原作に寄り添っていて、良い出来なのを再確認。

原作を読めば、マイケル・ルイスの人間観察眼とその言語化力に驚くばかり。映画はマイケル・ルイスの原作を壊さないようにうまく映像化している。そして、原作を読めば、各登場人物それぞれの個性を歯に衣を着せずさらに細かく知ることができる。どちらもおすすめ。

ただ、映画の方はより広い層にも手に取らせようという意図があるようでアウトローの4人組がまるで詐欺でも働いて大儲けしたようなラッピング。お決まりの日本の広告会社のオシゴトが介在しているようです。

もう、慣れたけど。広告業界ってそういうもんだし。そこれそ、最近は私自身もはてなブログに実装されたAIのタイトル作成機能をポチっと1押しするだけで、タイトルと内容がかみ合わない素敵イメージ戦略を施されたブログを書くことが可能になっているという(その乖離をどの程度認めて、世に放つかという決定権が私には残っているが、マイケル・ルイスや映画監督に残されているのかは不明。ないような気がする)。

 

広告は別として、原作の出来が程良いボリュームであるうえに、ストーリーが秀逸。

そのおかげで本の内容がすんなり映画に落とし込まれていると感じられる。

 

 

楽しみつつもためになる時間を過ごせたと大満足です。

 

 

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