夏休みにアマプラ無料で見たリンカーンのドラマのせいで今も続いている個人的リンカーン追求ブーム。
やたらオバマ元大統領をはじめ学者さんがしたり顔で話しかけてくるというよりは音読してくる。小学校の発表会みたいになっちゃってるドラマでドラマとしての出来は扱う情報量が多すぎるが故だとは思う。
南北戦争に関する無知が原因で余計にリンカーンが理解できない。
なにも奴隷解放宣言を発布しただけの人ではなく、差別撤廃のために人生をささげた人ではないと理解はできたが。
どうにも南北戦争が理解できないせいで、ドラマもよくわからないんだろうと思って、概略が理解したくて読んだ本。
AmazonのKindle本の中で「南北戦争」をキーワードに探すと候補があまりなく。なんとなくこの本を選びました。
だがしかし。南北戦争を扱ったページは20%?くらい?タイトル詐欺に近く、南北戦争の時代に限った本ではありませんでした。内容は充実、好印象。南北戦争特化の本ではないということです。
南北戦争の時代 19世紀 シリーズ アメリカ合衆国史 (岩波新書) Kindle版
南北戦争をはさんで20世紀にいたるまでのかなり長い期間のアメリカの歴史を端的にまとめてある良い本。
おかげで、アメリカという国への理解が深まったような気がしている。
多感な時期にふぁっけーアメリカなかっこよさだけを摂取して育ってしまったお馬鹿な私のアメリカ感を補正するのによい本でした。
インディアンを駆逐していく様なども過去から現在進行形にいたるまでごく当たり前に使われた手法を再確認して、胸が悪くなりつつも。「正しい」って何だろう。と常に考える。Xなんかみてたら短文であるからこそではあるけれど「正しい」だけで結論を出すためにどれほどの事実を無視して生きていけばいいのだろうと思わずにはいられない。でも、それを考えて考えて考えて。結論が出ないけど常に考えてます。
記述が南北戦争に限らなかったために、もう少し広い時代。現代に近い時代にまで思いをはせることになってまた気になることが余計に増えた本でした。
教科書的。アメリカの歴史をざっと一巡というならこのシリーズを一通り読むのもいいですね。
歴史学者の方の本をたくさん読むようになると、書いている事実の間にオレガワレガの記述をやたらぶちこんでくる偉い人がけっこういて辟易するときがあるけれど。
この本は作者の方が完全に裏方で我語りはなし。好印象です。