ブログの面白さってリアルにあると思う。
そんなわけで、本家「62kgから47kgを目指すおかあさんのダイエットブログ - 楽天ブログ」では赤裸々に体重とそのあくなき食欲、丈夫な胃腸をさらし続けているわたくしが・・・今度はこちらでお金のリアルをつづる決死の覚悟を固めたハズなのに。
昨日、Amazonプライムで見た映画。
やっぱ気になって原作を読んでしまいました。
dottarabattara47.hatenablog.com
映画が良くできているのか。
はたまた、原作がそもそも「小説」というよりは「脚本」に近いからなのか。
あんまり差がなかった。
スイスイサクサクすぐに読めてしまったし。
一番映画と違って理解ができたのは、主人公の拓人くんに
「なぜ内定がでないのか」という理由です。
どうしても、演劇なんていう集団活動に心から打ちこんだ人間が、どこも内定が出ないっていう状況が呑み込めなくて、光太郎がラスト近くで
「お前に内定が出ない理由がわからないんだよ」っていうのに深くうなづいてました。
最後に集団面接で実際に拓人がどのような受け答えをしているかというシーンがあるんだけど。
「こりゃ受からんわ」っていう。ね。
本人はなにか光を見出している様子だったけど。
そのあたりは。人として、暗黒面を抜けたっていうだけで、企業に内定がもらえるようなメンタルになったようには見えなかった。
そして、本を読んだおかげで、「なぜ光太郎には内定がでるのか」という理由もよくわかった。
衝撃的として扱われる全員実は5年生なんだよねというネタバレについては、
浪人率が高かった団塊ジュニア世代としては。
この恐怖感なかなか味わえない。映画の感想にも書いた通り。
あぶれる人数が少ないからこそあぶれる恐怖感。
しかし、なにもかも日本的で辛いなぁ。就活。 この本の表紙も怖い。
私はたくさんの会社を知っているわけじゃないんだけど。
数少ないとはいえ、1社ではなく数社。業界としては2つ。
不動産業界はとにかくやめる人が多い。人がひたすら流動している。
なので、次から次へと新しい人が入ってくるし、適性がなければ本人からどんどんやめてくという。やめないなら転勤に次ぐ転勤なんかで追い詰めていく。
そういう業界だったので、採用基準も相当に甘かった。
採用されて、そこで踏ん張れるかどうかは本人次第。
今いる会社は、新卒も中途もいるけれど、定着率が高い。
採用するということは定年まで雇うと覚悟を決めて採用する。
実際、一度入れてしまうと、本当に使えない。役に立たない人っていうのが一定数いるけど、やめることはほとんどなくて、そういう人たちも内包したまま組織は回っている。なので、その損耗率を少しでも下げるために、入り口のところでは非常に厳しい判定がなされている感じ。
この小説で登場人物が受けている企業はこういうタイプの企業なんだろう。
個人の能力以上に、定年まで一緒にいたいと思う人を選んでいる部分がある。
人当たりが良く、コミュニケーション能力が高く、周囲と協調できる人。
当り前のことではあるのだが。
日本の企業は終身雇用制度に縛られて、「要らない人をやめさせられない」ことが原因で、極端に「協調性が高い人」を選びたがるんだろう。
実際に仕事の能力が高いかどうかよりも「使いやすい人間かどうか」の方が重視されていると感じる。
リクルートとかベネッセのサイトを見ると。
コミュニケーション能力が高くない人。
他人とコミュニケーションをとることが好きではない人。
っていうのはほんと、会社ってところには永遠に入れないんかもなって思う。
自分自身もそれほどコミュニケーションが得意なタイプじゃないので、
「求められている人材」っていうような項目を読んでいると人間性を否定されている感じがして辛い。
それでも、就活生はそういう自分の気持ちは隠して、会社に選ばれやすい人格を演じて内定を勝ち得るしかないんだろう。
大学の就職課なんかでそのあたりを叩き込んでもらって、みんなそっくり同じような受け答えをして・・・。
そんな世の中なんだから、一人突っ張ってても仕方ないよねと流れに乗るしかないんだよなぁ・・・。
日本の企業が終身雇用制度を捨てて、もっとポイポイ解雇ができるようになったら、
こういう就活はなくなるだろうけど。国の方針的には、今、逆方向に舵を切ってるよね?
年金の支払い年齢を上げたいために、延長雇用制度がどんどん広げられていて、終身雇用制度もまったくのところなくなるとは思えない。
なんとか終身雇用をつづけていただくかわりに、年齢が上がったら給料を下げてもいいですか?っていう流れですな。