イマサラ金銭管理

ダイエットの成功、リバウンド、離婚から悲喜こもごもイマサラ金銭管理にめざめたおかあさんのブログです。

【本の感想】ポイズンドーター・ホーリーマザー 湊かなえ著 ~一人称がやばい作家さんですか?~

 ブログの面白さってリアルにあると思う。

そんなわけで、本家「62kgから47kgを目指すおかあさんのダイエットブログ - 楽天ブログ」では赤裸々に体重とそのあくなき食欲、丈夫な胃腸をさらし続けているわたくしが・・・金銭管理をテーマに立ち上げたこのブログに日々のあれこれを吐露しています。

 

 

他人との直接のコミュニケーションでも同じ情報を得ることはできるだろうが、私の感度は一般人なので、こうやって本にできるような作家さんの手を借りて多くの感情の可能性をわかりやすく見せていただけるのはありがてぇ。

 

サンデル的に答えがだしたいもんだと思っているけれど。

正しくありたいと思えば思うほどに正しいがなにかわからなくなってくる。

それでも正解はつかみたい。

 

 が・・・しかし、そんな「正義」などどこ吹く風で女らしく生き物らしく好きに女性らしく振舞う女性がわんさかでてくる。

それが「湊かなえ」。

 

ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

 

 

大概失敗してる女性やけど(笑)

 

半径2メートルの範囲内のことしか考えらない女性心理の魔術師?

自分の身の回りのことに気がとらわれ過ぎてしまうという女性であるが故の特性をとことんまで文字に起こしてしまう人なんだね。

 

一人称がヤバイ。

自分が同調してしまう、感情移入しちゃう自分と近い性格やタイプの女性が出てくるとしんどくなる。このしんどいっていうのは誉め言葉。

要は感情を揺り動かされちゃうってこと。

 

現実味があるといっても、だれもがこの小説に出てくるような思いが極まって深みにはまってたら世の中は事件だらけになっちゃうけど、女性であればだれもが一度は「イラっ」と来たことのあるようなシチュエーションがとことん泥沼化するところまで物語化されてるっていう短編集です。

 

 

 

作品のテーマになっている「女性的感情」と同じ感情に自分がさらされたり抜け出したりするのに苦労した経験があればあるほど 読んだ時の辛さが増します。

主人公の感情が自分から遠ければ遠いほど「お話」として素直に楽しめます。

 

以下、短編1作づつへの感想(感情)です。

 

【マイディアレスト】

これは楽。お話として面白かった。

1人称で語られても自分から遠いので他人事として楽しめてしまう。

それは、さいしょっからあかんやろ!っていう突っ込みしかない(笑)

他人のせい(家族のせい)にしながらもその「家族」に依存して生きる引きこもりの心理描写には背筋が寒いけどねぇ。

 

【ベストフレンド】

背筋が寒い感動友情物語。

全然最初っからベストちゃいまっせ~という。

おたがいがお互いに「ベストであるフレンド」ってなかなかないよね。

当たり障りのない関係でお互いに「ベスト」に楽しみを共有できる「フレンド」って多いと思うけど。

おたがいに顔を合わせればニコニコ。メールのやり取りも上っ面のニコニコ。

だけど実際は殴り合いだか刺し合いだかひっかき合いだか・・・。

でも、そこから両人とも明らかに何かをつかんで人生が変わっていくという。

ただ、お互いがお互いにどの程度ホンキなのかどうなのか。腹の探り合いで失敗してる。

そういう意味で「腹を割って話せていない」からラストの悲劇。

うん。「ベストフレンド」になれたはずの二人が本音を見せ合わなかったゆえの悲劇だな。なれてね~んだわ。「ベストフレンド」に。

二人とも物書きのプロになろうとしてるんだから(片っぽはなれたのか)、そこはお互い読めよ~~。っていう突っ込みもしつつ。

プロでもこういう無神経さを放つ作家さんっているんかねぇ?

 

【罪深き女】

これも笑える。こういう人いるいる。

でも、自分から遠いから笑える感じ。4コマ的に楽しめた。短編としてのお手本的。

自意識過剰!言葉にしなくてもわかりあってるハズ!って怖いよ。

わからないから。

正面切って言葉に尽くされても、受け取りたくない感情や思いは平気でスルーする人は多いからな(究極系はストーカー化します)。

なんもいわなくても「おたがいに分かり合えてる」なんて。

ないから!(笑)

そもそも誰?(笑)

 

 

【優しい人】

これも。あるある。

特に大学生の時に非常にたくさん目にした。やっぱみんな大人になりきってなかったんやろね。現在進行形で若者の間には常にある話なんだろう。

現実にはこのお話みたいに女の子の方が反撃に出て殺しに発展するのは見ないけどね(そこはオハナシお話)。

どの人とも分け隔てなく、同様にコミュニケーションをとっていると、たまにそういうコミュニケーションに慣れてなかったり飢えていたりする人が暴走してくるという。

これは、男性にも女性にもある話だ。

 

対策としては能面対応かコミュニケーション自体をしないことなんだろが・・・。

平等とか公平とか分け隔てなくって美しくて正しいことのように感じるけど、人間って生き物だから。自然の一部だから。生物の本能に従って「コイツヤベーゾ」とかいう感情をあまりに軽んじると事故る。

そして「コイツヤベーゾ」センサーがそもそも備わってない人は確かにいる。

 

 

 

ストーカー化するやつは悪いけど、ストーカー化させるやつの方に全く責任がないともいえないときって多々あると思う。

が、拒絶を受け取る側(ストーカー化する側)の方に「拒絶」の感情をまったく受信できないタイプも存在する。

 

これって大学生のときの私の中のテーマの一つだったなぁ。

コイツヤベーゾセンサーが備わっていない友人と拒絶感情を受信できない男。

 

 

 

【ポイズンドーター】

ホーリーマザー】

毒親っていう言葉が流行った頃に書かれたのか。

一見「普通」の娘や「普通」の母親の中にある闇を作品に起こしてあるのがこの作品だってことです。

 

 

感情レベルで娘:弓香と母:佳香のどちらにも納得できる部分は多々ある。

ま、それでも現実にはそのあとその感情の赴くままに行動に移してしまうしまわないが一般人と犯罪者を分けたり、その感情をいちいち文字に起こしてしまうのが一般人と作家を分けたりする分岐点なんだろうな。

 

かつて娘であったし、現状母だし。一人称でその時に感じていたことを思い出して納得したり否定したりできる。

 

 

で、一番この登場人物で痛かったのは、実はポイズンドーター弓香の母ではなく、

弓香の友達(親友ってなんやろね?あんまり私は使いたくない言葉です)里穂。

 

ホーリーマザーで一人称で語る里穂こそがホーリーマザーか。

と今更気づく。

 

自分が娘から母になり、働きつつ子育てをする中で得た経験から、一気に大人になり、多くの人の心がわかったような気になっていたあの頃の自分を見るようで痛い。

偽善的だなと思う。

まだ自我が育たない小さなむすこ君を守り育てることに喜びとホコリを感じていた現役バリバリのママだったころ。

でも、日々生きるのに必死で精いっぱいで。ホーリーで自己肯定で行かないとやりきれなかったと思う。反省したり立ち止まったりしてたらむすこくんが育たないからな。

私も含めて食わせてくれるような「典型的一家の大黒柱的ダンナさん」なんてものは我が家にはいなかったからな。稼いでもいないのに一家の大黒柱ぶるダンナと、それを一家の大黒柱らしく祭り上げられないお前が悪い、お前がその気にさせないからダンナが育たないんだっていうような社会の論調とか義母とかよりによっては実母実父のプレッシャーに負けないことで精いっぱいだったぜ。

 

う~ん。ホーリーだったぜ!私。

それまでの「娘」だったころの自分から卒業して大人になった気分で偽善者だった。

もちろん、むすこ君の写真がついた年賀状を送ることに疑問も抱いてなかったしね。

 

世につれ時代につれ立場につれ、選ぶべき道は変わる。

だからこそ、あんまり他人の心に偽善的に踏み込むのはおよろしくないよね。

と改めて思わせられた作品でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識的にも無意識的にもたまに自分の経験や感情を掘り下げる。

外から見直す。

そして、少しそれからの感情の発露を「外から見たときに納得のいく状態」へ軌道修正する。

そういう作業をして、常に自らが自らを「正しい」と思える行動ができるようにぐだぐだと考える。

そのきっかけが読書だったり、他人との会話だったり。

 

日々「正しい」を軌道修正しながら生きてます。

 

 

 

 

 

金田一蓮十郎さん激推し。病んでる家族がどろどろをさっぱりと生きていく。 

ライアー×ライアー(読書感想文へリンク)

 

激オシの予感?どろどろになりそうな先生と生徒ものをやっぱりさっぱりと?妙なテンションで進むのか?まだ1冊やからな。激期待中。

 

 

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飲み始めてから7月で1年が経ちました。

飲んで痩せるならそんな有難い話は・・・?ないね。

正直ベースで語りますと、おなかの調子がいいので飲み続けています。

糖質制限で滞りがちな私の胃腸にダイレクトに効いてますよ~。

 

固定費下げるは節約の基本。mineoに乗り換えてもう2年近く。

気持ち回線は遅いけど価格で十分折り合いがついています。