ブログの面白さってリアルにあると思う。
そんなわけで、本家「62kgから47kgを目指すおかあさんのダイエットブログ - 楽天ブログ」では赤裸々に体重とそのあくなき食欲、丈夫な胃腸をさらし続けているわたくしが・・・金銭管理をテーマに立ち上げたこのブログに日々のあれこれを吐露しています。
たまたま本屋で目にした文庫のランキングで1位だったので、
なんの予備知識もなく、かる~く。湊かなえの女性作家の面目躍如的な女性心理のどろどろをぐだぐだとエンターテインメント的に掘り下げて2時間ばかり楽しめたらいいなぁって感じで。気軽にどろどろするつもりで。
実は「告白」以来の2冊目でしかなかった湊かなえ。
神戸の震災とトンガ王国をからめて4人の女性主人公が出てくるオムニバス形式の小説だった。
1作目 母親がらみでキツイ。
2作目 彼氏から婚約者に無理やり昇格した男でキツイ。
3作目 うっかり子どもができちゃったけど、家族の助けを得られず、当時のシングルマザーを取り巻く環境でキツイ
それぞれの女性主人公がとにかく辛い目に合うんだけど。物語的なファンタジーに彩られ、ご都合主義に彩られ。トンガ王国に絡められてなんだか拍子抜けするほどに軽く救われちゃうお話で・・・
正直どっろっどろの感情を期待して読み始めたもんだから、あまりにものさわやかさとご都合主義が期待外れ。
購入したことを後悔しつつもあまりに軽く読みやすいので次へ次へとよみすすんでしまい。
4作目でやられた。
4作目の主人公は作者自身でしょうか?
ほぼ実体験だろうか。
年齢もほぼ同じ。
私は大阪で大学生でした。
あの、本当に被災地と呼ばれる場所からは遠く隔たったところで1995年1月17日の朝を過ごしたのだけど。
もう、つらいのなんの。
当時のことがばぁぁぁぁぁっていろいろ思い起こされて。
神戸にいて実際に被災した人たちからしたら完全に外の人なんだけど。
当時の人間関係とか、被災した子とのやり取りとか、いろんな価値観とか。
この小説(私小説なのか?)がトリガーみたいにぐわぁぁって思い出して。
しんどくなった。
小説としては反則だとおもう。あまりにもの一人称っぷりに。
しかし、震源地からの距離は違えど性別と境遇をほぼ同じくした私が当時感じていた震災を通して変わった人間関係や価値観に対するいろいろな感情が、きっちりと文字に起こされていることに戦慄を覚えてしまった・・・。
つらいきつい。
これは小説じゃないよ。湊さん。
当時の友達やら人間関係やら。ぐるぐると蘇る。
あちこちに電話したり、連絡のつかない友達の部屋を見に行ったり。
当時は携帯もなく、家電もつながりにくく。
不安な時間が今より長かった。あの時の気持ちがざわ~~~~~って戻ってきてキツかった。
出身高校から阪神間の大学へ進学した子の訃報を何件耳にしただとか。
たまたまとはいえ、自分が直接かかわりのあった子たちは全員無事だったこととか。
大学が、試験期間に入っていたんだけど、神戸から来ていた子にたいする配慮がゼロだったことに背筋がなんだか寒くなったこと。
神戸の西側からやってくる友達から、現地の様子をいくら聞いても、土地勘がなくて話がつかめてなかったこと。そして、その子と寝起きを1ヶ月程共にしたこと。
後悔っていうのとは違うんだけど。
今ではネットの情報でつかめる俯瞰的なアレコレが当時はすべて人伝いもしくは新聞やテレビの情報しかなくて。
見当違いだったなぁって思うアレコレ。
外側の人間の思い上がりで誰かを傷つけたこともあったかもしれないと思うアレコレ。
情報ソースがそれしかないから仕方ないんだけど。
今なら違う立ち回りができたんだろうと思うことも多々。
なんとなく恥ずかしい。
テレビゲームをしてそのままコタツで寝落ちした。
畳にガンガン頭をぶつけて(縦揺れだな)目が覚めたあの朝。
思えば遠くに来たもんだ。
去年の6月18日は足元からドカン!と突き上げられて、視界に入るマンションがグラグラ揺れるのをこの目でみて。
「ああ。もう、むすこ君には会えないかもしれない」と思った数秒。
すべて事なきを得て50歳が見えてきた今日この頃。ありがたやありがたや。
そして、大事なことなので、2回目です。
湊かなえ!
これは反則だろ。
これは小説なのか?
しかし。これが作家さんなんだろうな。
自分が感じたことを文字にここまでことごとく起こせてしまうこと。
私は、ただ。しんどかった。
これはしんどい。
想い出へのトリガーでした。
金田一蓮十郎さん激推し。病んでる家族がどろどろをさっぱりと生きていく。
激オシの予感?どろどろになりそうな先生と生徒ものをやっぱりさっぱりと?妙なテンションで進むのか?まだ1冊やからな。激期待中。