6月にネトフリで観たドラマが面白すぎて。
ドラマが面白いのは・・・やっぱり。事実が歴史が面白いからだと深く感じたので。
dottarabattara47.hatenablog.com
読了まで2か月近くかかってしまいました(購入は5/22でした)。
読了して。やはり読んでよかった!面白かったと芯から思えたので記録しておきます。
コンスタンティノープル陥落すスティーヴン ランシマン, Steven Runciman著
もともと小説でもないし、歴史の流れについてはWiki等ネット上の情報でいくらでも入手できるので、ばらばらと思ったことを以下書き連ねます。
【本を読んでの率直に感想】
冒頭、オスマン帝国とビザンツ帝国があったあたりの各部族の勢力の盛衰やキリスト教の合同の件は、私自身の地理的感覚が弱いことと、多数の地名(それも当時の地名)と同じ名前が何度も出てくる人名に悩まされてなかなか読み進まず。
もともと読みたいと思っていた「コンスタンティノープル陥落す」の冒頭にたどり着くまでを読み下すのに気持ちが乗らず、時間がたってしまったのですが。
(スマホで地名調べる、人名調べる、Googleアースで地形や位置関係を確認するってやってるうちにいつの間にか読書を逸脱して別のものをiPhoneで読んでいるの繰り返し)
地名人名の集積地帯を超えて、メフメト2世が生まれたあたりからは一気に読めました。
また、冒頭の読み下すのに苦労した地名人名の集積、コンスタンティノープル陥落の背景となる歴史的地理的な記述部分も、読みにくいとはいえ確実に理解は進み、そのおかげで読みたかったコンスタンティノープル陥落のその時の実情をより理解できた感がある!
何故、コンスタンティノス11世の救援の要請をのらりくらりと引き延ばし、結局は陥落その日まで、国家的規模での救済には向かわなかったのか。
ヨーロッパ中の王室や君主の家系がすべて親戚関係になっていたにもかかわらず・・・って当たり前だけれど自国の民、土地、もしくは君主自身の保身や財産の保全上問題がないから結局は他人事。お気の毒で同情はしても、自分の身代が揺れるような救援には至ることができなかったんだろうというのをひしひし感じることができました。
今も昔も結局一緒。
ちまちまと手紙を書いて、連絡が悪い中ヨーロッパ中を一気に動かすなんてどだい無理なお話し。
今なら、最後の皇帝コンスタンテイノス11世の演説がYoutubeに乗ってヨーロッパ中の人の心を動かして、大同連合した西ヨーロッパ軍がコンスタンティノープルの救援に駆け付けただろうか?なんて想像も楽しい。
想像が止まらず、想像している間に現実の現在進行形の戦争や紛争に思いを馳せて。
あ~。結局今でも結果は変わらないかもなぁと思ってしまう。
民衆ひとりひとりのお金が集まる可能性は世界規模に広がるのは間違いない。
また夜空の星を眺めて壮大すぎて楽しいけど疲れちゃう現象に至ってしまいました。
【歴史的事実、歴史小説ひいては戯曲について思い浮かんだこと】
比較が塩野七海の小説しかないのだけれど、
塩野七海は私が知りたいと思っていたコンスタンティノープル陥落の件だけを切り描いたようになっているので、目的の「お話し」にをいきなり読めてしまうのだけれど。
なんとなくそれが軽々しく感じたり、なんとなく大仰に感じたりしてしまったところ。
ランシマンで私の「歴史知りたいねん!」という気持ちが昇華されました。
小説の手法として塩野七海にはなんの落ち度もないけれど。
ただ私の欲求は違うところにあった。
読むのが苦しいし、時間がかかるけれど、それでもこの本のなかにその知りたいことはまとまっていた。
小説の先にはまだ戯曲とか映画なんてものがあって、塩野七海以上に劇的シーンだけを切り書いてセンセーショナルに見て楽しむという手法があるわけだけれど。
私個人の嗜好は歴史を「小説的に楽しむ」程度の娯楽であっても事実の下地が知りたい理解したいという欲求が相当占めているようです。
【ありがとう古今の歴史家の人々!ありがとう筆まめな人々!2022年の私は幸せです】
歴史上に点在する大石小石的な文献資料を読み解いて、その点のような資料を読み込んで、位置関係と年代を紐解き一つのまとまりやすい形にしてもらえるって・・・ありがたいなぁとつくづく思う。
今、ネットでどんな点在する資料にでも当たろうと思えばアクセスしやすい環境が整っていても。これだけの資料を複数の言語で読んで確認して・・・できませんわ。
もう、世界中劣化コピーの渦の中ですやん。それでもそんな劣化コピーでもそこそこ楽しいネット情報ですけれど。
まだネットがなかった時代に織られた丁寧なたぐいまれなる1冊を手にすることができて幸せでした。
こんな古い本をほぼ入手出来てしまうっていうことはまたネットのおかげだし。
もし、自分が1400年代冒頭に生きる人だったら、これを読んで楽しむこともできず。ただ時代の波に洗われて生きることのみの人生を送ったであろうことは間違いない。
2022年。
楽しいなぁと思っています。
なにをどう言われたって、たとえおばあちゃんの作ったおはぎがもう一度食べられるっていわれたって絶対あの時代には戻りたくないです。今がいい
【入手した紙の本の状態について~最高でした】
古い本なので。紙で、しかも中古しかないですが。アマゾンでとてもいい状態(おそらく新品。だれも一度も開いたことのない新品と感じる)の本が届きました。
購入は5月でしたね。中古品良いの状態でほんとにド新品でした。
包まれているプラの袋から出して開いた途端に、懐かしい気持ちがする。でも間違いない。この本は新品で私以前にこの本を読むために開いた人は絶対に誰もいないと確信して・・・幸せでした。私の本!本に対する所有欲を久々に思い出した(最近できるだけKindleで買うようにしているので)
【なんとなく思い出語り】
新装版が出た頃の1998年。
私が日本の歴史にどっぷりはまるという趣味を堪能していた頃ですね。
そのころは、世界地図とカタカナ人名が頭に入らない(中高生の頃からです!)ために世界史方面のものはほとんど読んでなかったのだけれど。ネットのおかげで。スマホのおかげで。その弱いところを簡単に補完しながら読み進められるので。40を超えてからは世界史が楽しくてたまりません。まだまだ掘っていない国や時代がいっぱいありすぎる。きっと私が読んで理解できる間に全部にあたるっていうことも無理だってわかってるけど。ものすごい宝の山の前にいるような気はしている。
(だがしかし、宝が多すぎて、手を付ける気にならずつい手直な安物でも満足して生きてる感じすごいな)