軽めに読めて、愉快で新しいSFが読みたいと思ったので。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞受賞の傑作!とのうたい文句でよく売れているらしい、この本を手に取った。
名だたるSFの賞を総なめという売り文句に期待を寄せた私がばかだったわ。
もうちょっと骨のあるSFが読みたかった。
が。挫折。
最後まで読めば話の筋は面白いのかもしれないが。
フィクションに落とし込む前の「ほんとのサイエンス」を感じない(私自身の知識なんて適当にもほどがあるので、私を納得させてくれる程度の本物っぽさが欲しいだけなのだけどね、それさえもない)。
そのうえ、冒頭から都合のいいダーリンとの濡れ場。
その後も、ことあるごとに濡れ場。
このダンナの存在が都合よすぎるのも気持ち悪い。
パイロットとしての腕も一流、天才的数的才能を持ち、博士号も取得していてひとり独立して女性の権利、人種差別等を乗り越えて無双を繰り返すストーリーっぽいんだけど?意味不明のダーリンとのいちゃいちゃシーン。1950年代にアメリカを代表するような科学者で宇宙開発を引っ張るような立場にある都合のいい王子様的ダンナが、彼女が辛い目にあったらいつでもそばで支えてくれる気持ち悪さ。
なんじゃこれは?ハーレクインロマンス?なろう小説?
乗り越えるべき差別などの記述も現実味がなく具体性なくなんだかなぁっていう気持ちでいっぱい(結局のところはハウスワイフを彼女自身が差別しているようにも取れる)。
何一つ失敗しそうもないのに無駄に不安になってトイレで吐いただの指先に汗を買いただの、人前にでるのがいやだのとグダグダいって弱いもんアピールするけど絶対無双だし。困ったら旦那がなんか都合がいい情報くれたり、後ろ盾になってくれたり。
それで、女性の権利を勝ち得たとか差別されたとか言われても。
自分は特権階級もいいところやん。
ま、全女性の地位や権利を上げていくのが目的ではなく、自分が自分のやりたい仕事(計算者)や宇宙飛行士になることが目的で結局のところ、女性差別にも人種差別にもたいして何も思っちゃいないんだなってのはよ~~~~~~く分かったわ。
50~60年代の懐かしいモノ・コト・ヒトが並んでればいいやみたいな軽い感じのノリにもついていけない。
後悔でいっぱいです。
買ったからには読み切らなければと思って、読み進めていたのだけど。
こんなにイライラしながら読み進めている時間も気持ちももったいないから読むのやめた。
Amazonのコメントをもっとしっかり読んでから買えばよかったな。
これだったら、三体の続きでも読めばよかったかな(高いのが難)
くらいの満足度があると思ったのだけど。
歳を経た名作で読んでないものや、読み返したいものがいろいろある中で、
新しいものにも飛びついていかなきゃっていう気持ちが・・・裏目に出ました。
う~ん。古典SFに回帰したくなっちゃうね。