実は。チャールズ・ディケンズに数週間前からはまってしまいました。
2月ってこんなに休みが多い月だったのか?とお金かけず、気楽に楽しもうと思い。
読みかけの本をうっちゃって Amazonプライムでイケメンでもみるか~と。なんとなく目についたのが。以前に見たことのある高慢と偏見。コリン・ファースかっこよかったなぁっていう記憶から。じゃぁ、イギリスのイケメンみるかぁと。そのままアマゾンさんのおすすめに従って
チャールズ・ディケンズ原作のリトル・ドリットを見始めたら。面白くってやめられなくなっちゃって。徹夜して朝の5時くらいまでかかって1本52分×8話をみた。
次は荒涼館。これもまたむちゃくちゃ面白くて。8話一気見。
そのあと、大いなる遺産もみて(これは3話と短めだった)。
ちょっとイケメンでも見ようかっていう軽い気持ちだったのだけど。
当時のイギリスの世相とか。多彩な登場人物にまさに魅了されてしまって。
なんとなく、チャールズ・ディケンズって、私の頭の中でドストエフスキーやトルストイとかみたいに読むのしんどそう。難しそうと勝手に思い込んでこの歳になるまで読んだことなかったんだけど。
どのBBCドラマをみても、次々に面白いキャラクターが出てきて、次々に事件が起こり。そして、爽快に解決大団円!の運び。
相当にお気楽に楽しみつつ、当時のイギリスの世相を垣間見、いろいろな人間の典型を価値観を面白おかしくも、お涙もありつつも、教訓も感じる。
思い込んでたより、ディケンズって大衆小説?全然読みやすい!
これは絶対に本の方が面白い!と3作も見てから確信。
もはや、プライムで筋を知ってしまった上記3作については、見てしまったことを後悔しつつ、アマプラから読書へ移行しました。
まずは、多分、名前は一番有名で。ディケンズ=二都物語ってくらいに。私の中では一番に思い浮かぶ二都物語
誰がなんと言ったって、このフランス革命の記述には歴史家から言わせれば文句たらたらだろうけれども。もう、なんすかこのエンタメ!悲劇すぎる!!!!!!
ディケンズのいうがままに、読んでる間はもう、ディケンズの価値観のままに義憤にかられる(これが行き過ぎると小説読んで歴史を語ってしまうことになるのでお話はお話と頭の隅では自重しつつ。おそらくフランスの方からすればいろいろ言いたいことあるだろな。極東の2000年代を生きる私は過去のよそ事だから冷静だけどさ)。
デキスギイケメンよりもダメ男(ダメなところがあるんだけど能力の高さも垣間見えるヤマケン君タイプね!)に弱い私はシドニー・カートンにぞっこん(笑)
ガバガバストーリーも現代だったら「無理無理嘘嘘」ってなるところが、舞台が遠い異国の1700年代となれば、さもありなんと素直に物語にのることができる。
1700年代中盤のイギリス女性の価値観が呑み込めてないけれど。ヒロインのルーシーのキャラクターが。かわいくておうちを守るだけっていう、それだけでどこまでも二人の男に崇め奉られて命まで捧げられちゃうっていうおとぎ話なんだけど。シドニー・カーターよなぜにそこまでヒロインにすべてをささげるのだ?
中世の王子様お姫様物語の延長線と思えばまあ。そういうもんかなぁ。お話お話おとぎ話!OK!楽しかった。同じ女性としたらどうなん?って頭の隅にはありつつも。そんなもんかなぁって。あきらかに個々のキャラクター性をみるとヒール役のドファルジュ婦人の方が輝きまくっているけれど。あくまでもヒロインはヒロインなのでヒロインの魅力はどうしようもないのですとそのあたりは頭の中で割り切ってお話に乗るしかないんだけど。
いやはや!面白かった。
で、この3連休に選んだのはディビット・コパフィールド
ディケンズの「自伝的要素」が色濃いという岩波文庫の5冊。一気読みしました。
ドラマで面白いなと思っていたキャラクターが名前を変え、立場を変え、舞台のそこかしこに登場し。さらには文庫5冊というボリュームもあるおかげで。ストーリーが複雑!すべてのキャラクターが面白おかしく動き回る!!!!!
主人公の心情や、各キャラクターの行動、心理、それに影響する社会情勢も二都物語とはちがって、作者が生きた現代(1800年代中盤)が舞台なので、さもありなんと話が深い。悲劇も喜劇もふんだん。当時の価値観を知ることができるという面では二都物語よりもよほど信ぴょう性は高いと思う(二都物語の舞台は作者にとっても歴史、ディビット・コパフィールドは現代)。
ヒロイン以外の女性の強さや魅力の多彩さも特筆!主人公・・・マザコン(産みの母だけでなく、おばさん、乳母みんな魅力的な女性像)。
主人公ぼく(ディビット・コパフィールド)に降りかかるかずかずの苦難を乗り越えるさまを赤んぼから壮年に至るまで書ききって、最後は大団円!
やっぱり、ご都合主義も多いけれど。ご都合主義を否定したらエンタメは死滅やからね。深く考えず楽しんで!楽しみつつ・・・教訓も得るという。
ただし、この教訓は1850年当時の世相に応じた教訓なので、なかなか現在にすべてしっくりくるような価値観ではないけれど。それはそれ。歴史の一部として、その価値観も楽しもう。
あらためて。ここまでディケンズにはまってみて思うのは。
ヒロインの描写が弱いというか。「えええ?このヒロインそこまでか?」っていうヒロインが多い気がする。特に、女性が主人公ではなく、男性が主人公になったときに生涯を命ををささげてしまう系ヒロインが。美と善(ものすごいステレオタイプ)でしかなくて、そこまでいれこまんでも?という感覚。
大いなる遺産のヒロインのエステラのキャラは結構強烈やったけど。主人公がなぜそこまで固執するのかよくわからない。
200年以上前の成功した男性の価値観なんで、やっぱり女は若くて美人に限る!俺最高!彼女俺にべたぼれ当たり前!っていう価値観が根底にあるような気はするが。
脇役の女性は魅力的なのにヒロインは平たんなステレオタイプになっちゃうのはなんでなんだろうね。結局、母や乳母、友人の妻などには人間性の魅力を感じて最大限尊敬しているのに。こと伴侶となると見た目の若さとか美しさを第一条件にふらふら行っちゃうっていう価値観が見え見え(笑)
ドラマを見た限り、主人公が女性になったときには見た目だけではない魅力があって、ああ。ヒロインだなぁって納得できるんだけどなぁ。やっぱディケンズ本人の本音と世間が求めているヒロインに乖離があるのかもしれん。なんだかぶれるんだよね。
あまりにディケンズにはまりすぎて、Wikiやらあとがきでディケンズ自身の生涯も読んでみたけど。パワーある成功して金も地位もあるおっさんが世間のそしりを受けることなく、美人の若い子と本当に愛し合ってよい夫婦になるっていうのを肯定したいし、それが存在するって書きたいんだなっていうのはわかった(けして彼女はおっさんの地位とお金に目がくらんだわけではないのだ若い男ではなく、この老いたオレを心から愛してくれているのだという話にしたい)。
そういう意味で、ロマンス要素は2020年代を50歳を目前にして生きる極東のおばさんからすれば、、、イマイチと言わざるを得ない。
だがしかし、ヒロイン要素、ロマンス要素は若干違和感のある取ってつけたような不細工さであったとしても!脇を固めるキャラクターが面白すぎるし多彩すぎる。
ここがディケンズの真骨頂なんだろう。
リトル・ドリット
サムネの役者さんはドリットではありません。むちゃくちゃうなじがきれいな女優さんがドリット。債務者監獄っていうものを初めて知った。人間やまもりもりもり。
笑って泣いて大団円。
荒涼館
主人公のヒロインの役者さんがなんかいまいち美人じゃないんだけど。美人という扱いになっているのが最初違和感があったんだけど。見てるうちに、何とも言えない気品にあふれた素敵な女優さんなんだなぁと。ロマンス描写もよかった。
大いなる遺産
そ・・・それないわぁっていうほどかなり無茶なご都合主義展開ありまくりの最終的には成功譚。ノリノリに楽しめばヨカ!ですが。ほんまにピップはこのエステルでいいの?エステル…壊れとる笑。
今流行り(?)の理解のある彼君の原型?!
最初のもの必ずしも最上ならずと思わずにはいられない。
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