夏休みに丸2日ほどかじりついて読んだ本です。
どこへも行けない。意思を持って「どこへも行かない夏休み」。
有意義な時間を過ごせた!
4,070円もするし。Kindle版ないし。Amazonも楽天も在庫きらしたし。
それでも、絶対夏休み中に読んでやるとの意思も強固にして、
クッソ暑い中片道2km近く歩いて在庫のある本屋まで買いに行きました。
よかった。正解。今年の夏休みをこの1冊に出会えただけでも十分意味のある時間が過ごせたと思えるだけの1冊でした。
Twitterを駆使し、世界中の労働のサンプルを集め(Twitterで世界中に協力を仰いだ観察記)。世界中を巻き込んで世界中でこんがらかっている労働を軸とした生態系の中にある、特に無意味な仕事の形を明らかにすることで、そのシステム全体を何とか見渡そうという。
蟻塚の隅っこで働く下っ端働きアリの私が、この地球全体で繰り広げられるアリ戦争の全貌をを突如理解するという天啓を得ることができたような。そんな爽快感です。
The World War of the Ants – The Army Ant
日本の隅っこで事務仕事に従事している私が。この不条理はここだけの出来事か?この苦しみは私だけのみに起きている不幸なのか?と感じていることが世界でどれほどに広まっているのかという事実を確認できた。
口では生産性生産性と口やかましく1時間ごとの個人の生産額の数字を要求しつづけるエグゼクティブ(笑)な方々がコロナで出張を封じられ、できうる限りの在宅勤務を命じられる中。なぜ出社して、会議室に集まってミーツやTeamsの会議を必要とするのだ?可能な限りの在宅勤務を始めると言下には推奨しつつ、この不満足気な空気の正体は?
そういった、本当に身近に起こっている不条理な「忙しさを装う文化」の正体から、果てはその「忙しさを装う仕事」がどれほど多く世界中に蔓延り、複雑に絡まる中で実に4割近くの人が私も従事していると思しき「ブルシット・ジョブ」に従事して経済の枠組みが作られてしまったのか。
では。。。世界中のブルシットジョブもブルシット上司もブルシットエクゼクティブもすべて排除して新たな世界の枠組みをつくるとしたら???
これはちょっとやそっとの地震や津波ですまないぞというほどの大恐慌、果ては戦争に発展するなという。いろいろ腑におちた。
資本主義ってなんなんだろう?市場経済ってなんなんだろう。なんだかおかしいなんだかおかしいって思っている普段からの気持ち悪さも自分の仕事のブルシット度合い。私の上席に座るあの人このひとの状況。も含めて。この1冊にすべてその理由が記してあった。
世界中が空虚なやる必要のない仕事を量産して富を付け替え搾取して搾取して、そうやってなりたってるんだよって。
もちろん、アベノマスクを配っちゃうあの人も、コロナ再燃の最中、GO TOを推進しちゃうあの人も。こんなことはわかってて、上手に利益を付け替えて。自分のぽっけや家族のぽっけ。仲の良いあの人のポッケにアガリを吸い込みつつ「仕事」の世話をしているわけだ。
一般労働者には一生気付いて頂かないのが吉。気づいたところでどうせ無理だとあきらめていただく。生かさず殺さず。そして、階層の分断と各個撃破でOK。
わかっちゃいるけど。
結局、ご飯が食べられているこの日本の現状こそが、
おかしいおかしい。と心の平穏を脅かされつつも黙して語らず我慢ができてしまうという。
怒りがないわけではない。できることならなんとかしたい。が。。。
結局、私のような人間にとっては、こうやって少し視点を変えて広い目で自分の位置をしっかり確認して。逃どきが来ているのかどうなのか。この状況が反逆に値する待遇なのか。黙って耐えるべきなのか?その見極めをつけるための武器になるかなと思った次第。
てね。こうやってね。本の感想をまとめているところへ最新のニュース。
ブレインマシンインターフェイス。これが一般化した時には。70億の人間は何を仕事にしてるんだろう?
今以上に人間が人間の精神の安定のためにその実ブルシットジョブどころか、無意味な仕事ごっこを繰り返し、本当に必要な仕事はAIや、ごく一部ごくごく一部の無から1を生み出せる天才だけが意味のある仕事をしてる世の中が来るんだろうか。
無意味な仕事にみんながお給料をもらい続けないとこの世界は崩壊しちゃうだろうという気持ちがどんどん膨らむわぁ。
今週のお題「読書感想文」