「ソラリス」を読みました。
なんかふんわりと。私の想像力が足りなくて楽しみつくせてない感がある。
私の想像力が足りなくて。
子細に表現してあるソラリスの風景をしっかりと思い描くことが出来ていない感じ。
なんとなく難しそうで手を出していなかった古典的SFにどんどん手を出している。
理由の一つは。新しい訳本が結構出ているから。
ソラリスもついに手に取った!って感じです。
日本語訳はいい。
が。書いてあることが難解っていうか。全部理解しようって無理に思わなくていいのかな。雰囲気で怖がったり楽しんだりしていいのかな?
冒頭のホラー感あふれるあたりはわかりやすいし、素直に怖い。
が、、、どうにもこうにも。
ココ。ネタバレですが。
"新"ハリー、"ソラリス版"ハリーにほんとに愛着を持てるって信じられない。
そして、その感情が愛着を超えて愛情であるとは・・・心がついていかなかった。
そういう展開なんだと思っても。
やっぱり、恐怖しかない。
そもそも。
お別れって言ったら死んでやったぜ!なんて復讐をされている女性を・・・もし、ほんとに彼女が生き返ったとして。
愛せるのだろうか?
さらには本物ではないし。
本物だからいいのだろうか?
いいの?いいの???
ま。私が愛情深い人間じゃないのが理解の妨げになっているのかもしれないし。
これを「恋愛小説」として楽しめる人は一定数いるのかな。
SFとしては。文句なしに面白い。
宇宙で人間が遭遇する知的生命体の形としては、人型だったり、地球の動物的な形の枠を大きく超えた「海そのもの」「星そのもの」がなにがしかの意志を持っていることが感じられ。そして、そのソラリスとなんとか意志を通わせたいし、理解したいとあがき続ける人類のまさに「歴史」がつづられる。壮大さ。壮大すぎる。
とはいえ。描かれているのは宇宙へ自由に漕ぎ出して、新しい知的生命体を探しだすことが可能な未来。なのに・・・本は紙で。ソラリスにある、ステーションにも紙の本や論文がそろえてある立派な図書室があって。そこで本を手に取ることによって謎に迫っていく・・・未来なのに過去みたいな不思議な世界。
そして私はもはや。紙ではなくiPhoneとiPadを自在に行き来しながらKindle版での読書ですわ。
遠い未来なのに遠い過去。
「違う世界線」をながめる感。
さらには。
ニューロマンサーのサイバーパンクの話と同じで。ソラリス自体が古い作品なので、
このソラリスに影響を受けて作られた作品を数多読んだり観たりしてんだなぁという感想もある。ただし。ニューロマンサーほどには、ソラリスに着想を得て、ソラリスをはるかに超えるソラリスっぽい名作は出ていないな。
dottarabattara47.hatenablog.com
そして、ちょっと思い出話。
今をさること40年程前。
小学生だった私は。
何度もなんども。まさに擦り切れる程何度も読んだと思う。
(たいして内容を覚えていないのが悲しいが)
これのどっちだったかもう覚えてないんだけど。
海に宇宙船がおっこちちゃって、取り込まれそうになって。っていう話が確かのっかってたなぁと。
で、慌ててブーストかけてその星からは離脱するんだけど。
その海の一部が宇宙船に紛れてて、そいつがヒロインによく似たような姿になってそのままプルルルピルルルといいながらくっついてくるっていう話があったような。
う~~~ん。ブレーメン5と那由多の違いがよく思い出せないわ。
子ども過ぎたし。今みたいに情報もないし。
こうやって、40年もたってから、ああ。この名作があって、この作品ができるんだ。できたんだって。
なんかそう思った。
調べたわけでもなんでもないし。佐々木淳子さんの作品を読み返したわけでもないんだけど。ソラリスに着想があったのかなと。
感じて、思い出したという話。
そして。最後に。
それにしたって、私の想像力が足りなくて。
子細に表現してあるソラリスの風景を思い描くことが出来ていない感じ。
安易に映画をみて、その気持を埋めてしまうべきなのか?
活字で自分が想像し、感じたソラリスのイメージを大切にすべきなのか?
ちょっと迷う。
300円ばかり出せば。今からすぐにだって見れちゃう。そういう時代。
だけど。だれかが、だれかのイメージで映像化したものはもはや・・・作者から直接うけとるイメージとはちがうもんな。
そもそも。和訳が入ってる時点で他人フィルタは入ってるわけですし。
活字からイメージを沸き起こす。そんな力も落ちてる気がして。気落ち中。
楽しかったです。楽しいです。
でも。1冊1冊。本を読めば読むほどに。
若いころの読書は楽しかったってどうしても思わざるをえないし。
逆に言えば、80,90まで生きるとして。自分が読書ができるのが何歳までなのかわからないけれど。いまからその読解力理解力は落ちる一方なんだから。
身体を鍛えるように。読書も絶対やめたらあかん。楽しいことが減ってしまう。
と。
安易に映画へ逃げたい気持ちを抑えて。
次は何を読もうかな。
今年(2020年)は新型コロナのおかげで読書もゲームも順調に消費してるなぁ。