ニューロマンサーを読みました。
高校生の時に、ハヤカワのSFにはまっていて。
というか、海外SFにはまったんだけど。今みたいに情報がないから、ハヤカワのSFのラインアップのなかから次々読むしかなかったんだなぁと最近は感じてる。
その時は、私の目に触れなかった「ニューロマンサー」を読みました。
今でこそ「サイバーパンク」の元祖!なんて言われてるけど。当時、サイバーパンクなんて言葉は知らないし。そのあとの30年でこの「ニューロマンサー」に影響を受けて世に放たれた数多の作品を本であれ、映画であれ大量に摂取し続けた私としては。
なんか、そういう雰囲気の作品でしかなかった。
最初であったという価値が付加されているだけだし。
30年前に「最初」にこの作品を手に取れば、私にとって想い出深い1作となったのかもしれないが。
なんだかかっこいい雰囲気のよくある筋書きのなんだかよくわからないものと戦う主人公とその仲間。で、その戦いが終わっても。一体俺ら何を得たのか?
まぁええか。で、次の作品でもまた新たな戦いに自らを駆り立てるんかなぁっていう。そんな感じの1作でした。
とはいえ、世界が望む「ニンジャー」の描写にはかなり笑えつつも。
なるほどなぁとその「ニンジャー」の原型をみたような気分で高揚。
ヒデオ。
名前からしてもう50がらみのおっさんと感じてしまって、動けなさそうな名前。
ヒデオ。
「ヒデオは真っ暗闇でも射るのよ。禅ね。そうやって練習してるんだもの」
・・・練習したら両目がつぶれても飛んできた矢や銃弾はよけられるし、射た矢は命中するんです。
禅だからね!
か・・・かっこよす・・・(笑)
妙な日本描写も日本人でなければ笑いも起きず、スタイリッシュで楽しめたんだろうなと。
鈍色の空の千葉の描写はなんとか沿岸の工業地帯っぽいところが市街化したようなイメージで得心して、かっこいいことにしようと思っても。
滋賀が・・・海鮮の産地っぽい。スシーの聖地っぽい扱いなのには笑ってしまう。
もう。だって、滋賀=鮒ずしのイメージしかないからね。海じゃねぇよ。新鮮さは感じない・・・。
その原作のアンドロイドは電気羊の夢を見るか?なんぞは、スタイリッシュさ以外にも作品としての面白さが段違い。
30年経って、種明かしをすると、「ニューロマンサー」に書かれたイメージがロードランナーやトロンを映画化するときに相当影響してたんねぇという。
インターネットもなかったし。そんな情報は何一つ知らず。
とはいえ。30年後の今、2020年にこれを読んでも「名作」だとは感じられず。
やはり、その時、その時代。その雰囲気のときに手に取れば名作たりえた一作だと。
過去の名作だったんだと言わざるを得ないです。
もうね。訳がね。悪くてね。
当時のままのあの酷い訳。
そもそも自分で読めないんだから勝手なこというなってやつだけどさ。
これを読んでる間、
あ~。私、もう脳みそが劣化しちゃって読んでも読んでも理解できないんだ(涙)
っていう気分で、一つ一つ理解して先に進もうと思うと先に進めないから、途中からこれは雰囲気小説だ!
と割り切って、ほぼ読み飛ばすように読了しました(笑)
でも、この後(感想も書くつもりだけど)、「R帝国」を読んだんです。
さっくり意味が分かった(笑)。私のノーミソのせいじゃなかった。
「R帝国」の作者の方も悪文で有名とかいう評もあるが。。。
40年程前のSFの邦訳はみんなこんなもんだった。それでも、高校生の私はその読みがたさを超えてSFが読みたくてがんばってたんだなぁと。